全て地元の杉・桧・松を用いた大きな吹抜空間の居間・食堂。床は温水の床暖房とし、その上にムクの欅(けやき)の板が貼られ、冬もとても暖かい。
黒い柱は、昔の大黒・小黒柱を再使用し、下のくさった部分は新しい木材で金輪継ぎと呼ばれる強固な継手で継がれている。
横向きの黒い梁も昔の家に使ってあったもので、この広い空間のアクセントとしてデザインされている。
床は、朝鮮貼りと呼ばれる工法で、長い材料が不要な経済的な貼り方。伝統的な工法を用いて和風にしつらえながら現代のニーズに合わせたモダンな空間づくりを目指している。
 
伝統的技術

柱と柱をつなぐ時、接手をそれぞれの木口に刻み込みます。「仕口」といいます。中には「蟻」といって単純な方形ではなく、先で広がっているような複雑な仕口もあります。

これらは柱と柱を面で強固につなぎ合わせる伝統的技術です。何代にもわたって大工が少しずつ自分なりの工夫を加えながら完成させていきました。こういう木組みで作られた建物は何百年もその堅牢さを保ちます。

良いことは分かっていますが、技術は使われなくなればあっという間に廃れます。私たちは伝統的技術を過去の文化財にしてしまわないように伝えてまいります。

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阪神大震災では、但馬の大工が建てた家が壊れずに、その技術の高さが認められた。写真はその伝統的技術を代表する木組みで、写真Aは追掛大栓継ぎと呼ばれる梁の継手。写真Bは、腰掛け蟻継ぎと呼ばれる屋根梁の仕口。いずれも安易に金物を用いず、込栓やしゃちを用いて木のねばり強さを最大限に利用した組手だ。 photo03(写真A)
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(写真B)
社寺や仏閣は木造の家のお手本。合理的で柔軟な構造は、なかなか壊れない。昔からの職人の知恵の結晶だ。このような仕事で技術を培ってきた熟練した職人が、あなたの家を現代に即した形で実現してくれる。
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荷重を多く負担する通し柱は、土台の上に乗せると長い年月の後に土台にめり込んで柱が下がるので、直接基礎に乗せ、蟻落しと言う継手で継ぐ。これも但馬の大工が永年かけて得た知恵である。
職人の技
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杉のムク板を市松に貼った格子天井、松のムク板の式台と上り框(かまち)、杉の巾広の腰板、鏡板式の引違い戸と骨太の格子戸。いずれも本物の材料と伝統的な工法を用いた、どっしりとしたいつまでも飽きのこない玄関だ。
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玄関前の広い軒下空間。奥ゆかしい和風の玄関だが、それだけではない。但馬地域は冬にたくさんの雪が積もる。その時には、このような玄関前の広い空間が便利だ。
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木と土壁、畳という自然素材で構成された、大工、左官、建具職人の技術がいかんなく発揮された落ちついた玄関。写真奥の方が客の入り口で、手前は家の者が上り降りする。

家を建てるには大工はもちろん、いろいろな職人が必要でした。しかし、家が単なる工業製品になってしまったら、組み立てる人が必要なだけになるでしょう。

決まったモデルをそのまま組み立てるならいざ知らず、家を建てるということは、施主と施工者の共同作業です。その場その場でいろいろな判断が必要になってきます。

培ってきた技術と知恵でその課題を解決していくのがその道の専門家、プロである職人です。多くの経験に照らし合わせてそれらの課題を解決していきます。そして良い仕事をすることによって更に職人は育っていきます。

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